その7につづきまして、その8では、新たに、コンビニを開店する場合に、予想される売上高をハフモデルを用いて、求めてみます。
ここで、ハフモデルとは、「複数地点の間の相互作用を表現する空間相互作用モデルのひとつ。 主に小売施設の商圏分析や新規施設の売上高の予測に用いられる。 施設の吸収力を,売場面積や売上額などの施設の規模に比例し, 消費者から施設までの距離に反比例するものとして定義する。 そして, 吸収力の相対的な大きさによって, 消費者が複数の施設の中から特定の施設へ出向く確率を求める。」(出典:OR WIKI)というモデルで、以下の式で表されます。
店舗Aの吸引力=(店舗Aの売場面積/居住地と店舗Aの距離^λ)/S
S=(店舗Aの売場面積/居住地と店舗Aの距離^λ)+(店舗Bの売場面積/居住地と店舗Bの距離^λ)+・・・
+(店舗Nの売場面積/居住地と店舗Nの距離^λ)
ここで、λは距離の抵抗係数で、最寄品では大きくなり、買回品では小さくなります。過去に通産省が用いたモデルでは、λを2に固定しました。これを修正ハフモデルと呼びます。今回は、λ=2として、計算してみます。
もちろん、コンビニをどこかのコンビニチェーンのフランチャイジー(加盟店)として、開店する場合は、フランチャイザー(本部)から、しっかりと実績データに基づく、説明が受けられるのでしょうが、ここでは、自力で、無料で、どこまで求められるかを試した事例です。また、計算に用いた競合店のデータはすべて架空のものです。
それでは、またまた、私の生まれた場所で、コンビニを開店することを計画してみました。ここでは、商圏範囲を仮に半径500mとして、その範囲にある世帯が検討対象の世帯としました。また、その半径500mの商圏内と商圏が重なり合う競合店が4店あることがわかりました。これを、図1に示します。まず、新しいお店は家の絵になっています。内側の青いサークルは半径500mの範囲で今回対象の商圏を表します。さらに、商圏が重なるのは、外側の青いサークル(半径1000m)の中にある他のコンビニ店になります。ここでは、4店見つかり、その位置を赤いピンで示すとともに、それぞれの商圏を赤いサークルで示しています。
次に、その7と同様に、政府統計e-Statの統計GIS,jSTAT MAPをもちいて、半径500mの範囲内の世帯数を求めます。その際、最も細かいメッシュサイズ、5次メッシュを用いることで、250m四方単位の範囲での世帯数が求められます。図2にメッシュの位置とサイズを示します。また、それぞれのメッシュコードから緯度、経度が求められます。また、各お店の位置からも緯度、経度が求められます。それらの位置データから、それぞれの距離(m)を計算したのが、図3です。これらのデータを用いて、λを2にして、計算した修正ハフモデルの結果を図4、図5に示します。求められた比率で、各メッシュ毎の世帯数を按分することで、自店に買いに来られる世帯数が求まります。この場合は、半径500mの商圏内には4276世帯ありますが、その中の1387世帯が買いに来られると求められました。あとは、一世帯あたりのコンビニ消費支出額をかければ、予想売上高が求まります。ここでは、少し古いデータですが、同じくe-Stat内で求まる、2014年の全国総世帯消費支出先別データから、コンビニでの消費支出、月3811円という値を用いることにしました。そうして、求めた予想売上高を図6に示します。月売上が530万円ほどでは、売上高利益率2~5%といわれるコンビニ業界では成り立たないことが、分かりました。やはり、すぐ近くに、すでにコンビニがあり、商圏がほぼ重なっていることが大問題であることがよく分かります。では、どこに出店すれば、適切な商圏サイズを確保できるかも、この作業をより広い範囲で実施すれば、可能と考えます。
今回も、細かい計算手順の説明は省略していますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。







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